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秋吉理香子著『サイレンス』を読んで【ネタバレ・謎・推理】

秋吉理香子「サイレンス」

オススメ度★★★★(読みやすい、島社会って大変そう)

内容:
しまたまさん―雪之島の護り神。新潟本土の港からフェリーで約二時間、人口は三百人以下で信号機もない雪之島で生まれ育った深雪。アイドルを目指して故郷を離れたが、いまは夢をあきらめて東京の芸能プロダクションでマネージャーをしている。両親に結婚の挨拶をするために実家へ帰省したが、婚約者の俊亜貴は突然失踪…。「しまたまさん」に護られた島から、深雪たちは東京へ戻って結婚できるのか。イヤミスの新旗手が放つ、サスペンス長編。
出典:amazon.co.jp

新潟からフェリーで2時間の雪之島に住む歌手を夢見た少女は、親の反対にあいその夢を諦めるしかなくなった。田舎から上京し、34才になった。半同棲の彼と結婚の挨拶をするため再び雪之島へ向かう。

田舎の風習、親戚づきあい、都会とは違った濃密な人間関係。そこに都会育ちの俊亜貴。浮いた存在にならないわけがない。ましてや俊亜貴の真意は・・・。

俊亜貴がどうして深雪とのを結婚受け入れたのか。

深雪のまわりでは「しまたまさん」の力か不思議な出来事がおき、物語が進んでいく。

ある意味、田舎の人間関係の闇を教えてくれてるのかも。

ネタバレ注意



目次

物語の進み方

1人称視点で物語は進む。
深雪、俊亜貴、深雪、達也、深雪、弥生
各章のはじめに、時系列がずれた物語に重要な要素がつづられる。

物語の謎

謎は親切に深雪が語ってくれるp243
1.俊亜貴が着ていたスーツは、いったい誰のものだったのか。
2.一真は何十年も放置していた実家の穴掘り式の雪室を、突然埋めることにしたのか。
3.達也と初めて口づけた日、荷台の雪の中には何があったのか。
4.助手席の足元にあったショベルは何に使われたのか。
5.しまたまさんとは、いったい誰なのか・・・。


謎の答え(勝手な推理です)

1.俊亜貴が着ていたスーツは、いったい誰のものだったのか。

p75 オーダーメイド。「suzuki」の刺繍。ブルックスブラザーズ。→スズキさんのもの
p158 持ってるよ。なあ」達也がちらりと見ると、一真が頷いた。→二人が知っている
p225 このスーツって・・・。そっか・・・そういうことだったんだ」→朋子が知るスーツ

スズキと聞いても深雪が思いつかないので、島外の人間のものの可能性が高い。朋子が知っているということで、朋子が島に連れてきたヒロキのスーツと思われる。
それにしても朋子は、大掃除の時に深雪から達也に電話が掛かってきてスーツを必要としていることを知っているし、忘年会でスーツを着た俊亜貴とも対面している。スマホの写真で気付く前に気づきそうだけど、酔っ払っていたからしょうがないのかな。

2.一真は何十年も放置していた実家の穴掘り式の雪室を、突然埋めることにしたのか。

p222 朋子の結婚相手のヒロキが突然離れから消え、音信不通。
ヒロキは殺害され、そして雪室に埋められた。
ヒロキのスーツは達也と一真が管理することに。

3.達也と初めて口づけた日、荷台の雪の中には何があったのか。
4.助手席の足元にあったショベルは何に使われたのか。

p153 雪室に雪を下ろす達也。最後の文章「これが未来への第一歩だ。雪之島の。そして、自分の--。」
p199 雪室の底に過去の影を見つける深雪。
p242、p276 雪室の氷の中にある紫のスマホ。

氷の中にあった紫のスマホはp137俊亜貴が持っていた限定ものと同じだろう。そしてそこにある過去の影とは、藤崎俊亜貴の死体。スノボの板も埋まっているのかな?

5.しまたまさんとは、いったい誰なのか・・・。

「島霊様」とは、この時の「しまたまさん」は深雪の旦那。吉岡達也。
ヒロキを殺害したことは、スーツの件から達也と一真が知っているとわかるが、俊亜貴の殺害は一真が知っているかはわからない。

深雪が島を出ようとした時に邪魔をしようとした風花。婚約者が疾走して喜ぶ家族。
裏で島民が繋がっているようで不気味。
小さな島。ほとんど出入りのない冬の時期、フェリーしか交通手段がなければ、俊亜貴もヒロキも出ていったのか確認するのは容易なことだろう。


そして繰り返す

弥生の章で終わる物語。
島が嫌いで東京に出ていった朋子と深雪。気がつけば島の暮らしにすっかり染まり、生活を送る。

弥生は将来の結婚相手の侑史を島に連れてこようとする。侑史は果たして無事に本土に戻ることができるのだろうか。

「しまたまさん」移住者を拒み、島を出た者を何としてでも、帰そうとする。

 

みんな家族という感覚。大変そう。
そこで育った人達しかうまく対応できないというのは、ホントそうだろう。

 

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秋吉理香子「サイレンス」

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