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東野圭吾著『私が彼を殺した』を推理する

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「私が彼を殺した」の犯人は誰か?

犯人は 神林貴弘 雪笹香織 駿河直之 の誰か です。

この小説で犯人を推理するには、最後に加賀恭一郎が提示した3つの証拠品が重要になってきます。その証拠の1つには、犯人のみが理解できる指紋が付いていました。
まず、3つの証拠と小説から素直に読み取れる指紋を確認します。

美和子のバッグ
神林美和子
西口絵理(P133)
雪笹香織(P164)

薬瓶
神林美和子
神林貴弘(P121)
穂高誠(P53)
雪笹香織(P164)

ピルケース
神林美和子
穂高誠
西口絵理(P147・P164)
雪笹香織(P164)
駿河直之(P147・P164)
ボーイの手(P148)

「薬瓶」は穂高誠がパッケージから取り出した(P53)ので、上記以外の指紋が付く可能性はないと考えられます。

「バッグ」について、他には神林貴弘、穂高誠が考えられますが、身元不明の指紋ではありません。他にホテルの従業員ということも考えられますが、加賀が言う「犯人のみが知る指紋」としては考えにくいでしょう。

「ピルケース」は、穂高誠の持物です。穂高には結婚歴があり、前妻の荷物を駿河直之の部屋に持ち込んでいました(P181)。荷物にはペアで揃えていた物もありました。
ピルケースも、ペアで揃えたもののひとつであり、そのことを駿河は知っていました(P57)。駿河直之にはすり替えるチャンスがありました。



西口絵理からピルケースを受け取った駿河(P148・P164)は、一旦ポケットに入れ、そばを通りかかったボーイにピルケースを渡しました。

駿河は穂高の前妻の荷物からピルケースを見つけ出し、それに浪岡準子のカプセルを仕込んでおき、結婚式当日あらかじめポケットに忍ばせておきました。そして、西口からピルケースを受け取った際、毒入りカプセルが入ったピルケースとポケットの中ですり替え、それをボーイに渡したのです。

身元不明の指紋、それは穂高誠の前妻の指紋でした。

この説を「私が彼を殺した のつづき パターンS」として書きました!


上記は、ネット上でも有力な推理です。

しかし、この推理ではたくさん疑問が残ります。

疑問
1.ピルケースは本当に2つ存在したのか?(処分されていた可能性もある)
2.ピルケースに残っていた指紋は?(加賀が残っていたと言った指紋は、「身元不明のもの」だけ)
3.ピルケースを交換すると、駿河直之が交換する以前に触れた人物の指紋がなくなる
4.なぜ、神林美和子が1錠しかピルケースに入れていないと知っていたのか?P53で穂高誠は「2錠ほど入れて持っていることにするよ」と言っていた。美和子が協力していたのか?
5.ピルケースの存在を知っているのは、駿河だけではないのではないか?雪笹香織は穂高誠が前妻と一緒にいるときから知っている。ピルケースがペアで存在しているということを知っていてもおかしくない。犯人だけが知る情報ではない(P431)


「私が彼を殺した のつづき パターン別」を読む

「私が彼を殺した のつづき」を読む

「私が彼を殺した」の分析

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