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その8(完) 加賀恭一郎の章
目を開けると、一瞬どこにいるのか戸惑った。頭が痛い。どこかに打ち付けたみたいだ。頬もズキズキする。
私はまず、記憶の確認をした。
「練馬警察署の加賀です。加賀百万石の加賀です」
小さく呟いた。よし、記憶は大丈夫みたいだ。
立ち上がり、服の乱れを戻した。少しふらっとしたが、大丈夫だ、といい聞かせた。
状況を整理することから始めた。確認すると部屋には二人の男がうずくまっていた。二人とも、放心状態のようだった。女性二人の姿は見当たらない。
その時、コトリッ。2階からちいさな音が聞こえた。誰かが上にいるみたいだ。私は男性二人はここに残していても問題ないと判断し、2階へ向かった。音を立てないように慎重に。階段を上がりながらポケットに違和感を感じ、確認した。膨らみがなくなっていた。殴られて突き飛ばされた衝撃で中の物が、飛び出した可能性が高い。とりあえず、あとで確認することにした。今は2階の確認が先だ。
2階の廊下にでると少し扉があいている部屋があった。そこに誰かがいるようだ。女性の悲痛な声が聞こえてきた。
「 どうして、どうして・・・、言ったじゃない。
私が彼を殺した
って。」
彼女の腕の中には、ぐったりして動かない女性がいた。
白いワンピースを着ていた。顔を見て思った、にんぎょう・・・
(あとがき)
「私が彼を殺した」を一番最初に読んだとき、犯人は美和子と感じました。
文庫の袋綴じ解説を読んでわからなくて、ネットで検索して犯人が駿河とわかっても、雪笹の感情の昂ぶりの理由がわからなかったので、いろいろ考えたのが、「つづき」を書くきっかけになりました。
改めて小説を読んでいくと、誰でも犯人にできそうな感じになりましたが、雪笹だけは実行犯にすることが難しそうでした。
この「つづき」は架空の付け足しだらけで、「犯人はひとり」という条件も守られていません。殺人ものを読んでいていつも思うのが、「人は本当に人を殺すことができるのか」ということです。それも計画的に。
この「つづき」を書いてから読んだ東野圭吾さんの「殺人の門」はそのテーマで書かれていて、興味深く読みました。
計画的に毒を仕込んで、それを飲んだ人が身近に死ぬ。それに耐えられる怨みはスゴイと思います。そんな人が世の中にはいるかもしれません。
でも、やっぱり計画的に人を殺すのは難しいのではないかと思い、この「つづき」では偶然が重なって、カプセルが薬瓶に入り、最後にピルケースの中に入ってしまい、それを穂高誠が飲んで死んでしまった、ということにしました。
神林貴弘と神林美和子のどちらかの持っていたカプセルが穂高誠を殺したという曖昧な結末ですみません。。
そのうち加賀さんが活躍する「つづき」を書けたらと思います。
まずは、加賀恭一郎シリーズを読みます。
改めて、犯人のパターンを変えて「つづき」を書きました。加賀さんが活躍します。
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