MENU
本を聴こう【Amazon Audible】チェック!

「どちらかが彼女を殺した」の犯人を推理する【ネタバレ】

当ページのリンクには広告が含まれています。

[widget id=”custom_html-11″]




ネタバレ注意

目次

「どちらかが彼女を殺した」の犯人はどちらか?

この小説で犯人を推理するには、利き手が重要になってきます。
小説から読み取れる各人の利き手をまず整理してみます。

和泉園子

左利き
テニス、ボール投げ、包丁(P96康正の回想)
バトミントン(P199)
DMの破り方(P200)

右利き
鉛筆、箸(P96 康正の回想)
右手にナイフ 左手にフォーク(P202)

弓場佳世子

右利き
ペン(P111)


薬袋の破り方(P290・348)

佃潤一

右利き
包丁(P297 弓場がしたことはすべて佃の行動という証言から P346)



犯人

右利き
包丁(P55)?->佃が使ったと判明、しかし犯行前

現場の指紋

小さいテーブルに残された2つの薬袋(同じ方向に付いた園子の指紋)



康正の推理を考える

物語の最後、康正は犯人を特定して、見事犯人に恐怖を味わわせます。
どうやって推理したのかを考えます。

(P200)DMの破り方から加賀が園子の利き手を左利きと特定し、(P201)加賀の「破壊には必ずメッセージがある」の言葉から、康正は薬袋を重要な証拠と位置づける。
(P78)薬袋に園子の指紋が同じ方向についていたという加賀の話から、どちらの利き手の指紋が残っていたのかは明かしていないが、園子とは逆の指紋、つまり犯人が手を取ってつけた右利きの指紋が残っていたと康正は推理する(P347)
弓場と佃の利き手を突き止め、利き手が違っていれば、右利きの人物が犯人。佃の証言から、包丁を使った佃は右利きと判断した。
弓場の利き手は?ペンは右利きだった(P111)
物語の終盤、(P348)ゴミ箱に入っていたものが重要な証拠となった。(P290)ゴミ箱の中には、弓場が捨てた薬袋があった。すでに加賀に回収され、それを直接確認できなかったが、弓場が薬袋を破る手つきを思い出すことはできた。
最後に犯人を和泉康正は特定することができた。

もし、弓場佳世子が右利きで薬袋を破っていたら、佃潤一が右利きのため、2人とも右利きとなり、犯人を特定することは不可能。弓場が左利きの手つきで薬袋を破ったため、園子の部屋に残った薬袋の右利きの指紋の人物ではないことが分かり、佃潤一を犯人と特定することができた。



疑問に思うこと

 

疑問

  • 薬袋に残された園子の指紋はどう残っていたのか?
  • 犯人はどうして、他殺の状況を残したのか?(自殺を装ったのは和泉康正)

犯人を特定したのは加賀恭一郎だけ

 

小説では、和泉康正が犯人を特定することに成功して物語を終えます。
しかし、それは加賀恭一郎から利き手が重要だとヒントをもらい、それを追求して犯人を導いただけです。袋綴じ解説からも利き手から犯人を特定するように書いてあるので、佃潤一で正解なのでしょう。

この物語で犯人を本当に特定したのは加賀恭一郎だけで、加賀さんのヒントによって、和泉康正、袋綴じ解説、読者も犯人を特定したのだと思います。
本当に「利き手」が重要な証拠だったのでしょうか?薬袋についていた指紋がどういうものか明かされていないので、普通に和泉園子がつけた左利きの指紋だったということも考えられます。佃と弓場の利き手の違いを知っていた加賀が最後に和泉康正を導いたのではないかなと思います。

加賀恭一郎がどの証拠や証言から佃潤一が犯人と特定したのかは、わかりません。



どちらかが彼女を殺したの「つづき」はこちら

途中で終わってしまう小説。
加賀恭一郎も華麗な推理を読者に披露したかったと思います。
勝手に小説の続きを考えていました。
純粋な「つづき」と「加賀恭一郎 視点」を書きました。
よろしければ、どうぞ。

「どちらかが彼女を殺した」の続きを書いています。
どちらかが彼女を殺したのつづき その1 へ

あわせて読みたい
①「どちらかが彼女を殺した」のつづき【ネタバレ】再会 ①(はじまり) 和泉康正は、数年ぶりに東京の空気を吸った。ここで経験したたくさんのことを思い出す。決していい思い出ではなかった。東京駅から池袋へ行き、目的地へ...

加賀恭一郎がどうやって推理したのか考えてみました。
どちらかが彼女を殺した 加賀恭一郎編 その1へ

あわせて読みたい
①「どちらかが彼女を殺した」のつづき 加賀恭一郎編【ネタバレ】 [widget id="custom_html-11"] ①(はじまり)「どちらかが彼女を殺した」加賀恭一郎編   12月?日(第1月曜日) 東京練馬区。6時を少し過ぎた頃、渋滞の中をサ...

「どちらかが彼女を殺した」(講談社文庫)

↓よろしかったら拍手お願いします^^ コメントも大歓迎~

16

コメント

コメント一覧 (7件)

  • NoTitle
    犯人は佳代子の方だと思いますよ。
    最近呼んだので今更になりますが。

    両方とも右で破れていた=純一では無く。
    両方とも右で破れていたから=佳代子なんです。

    袋の破れ方のみではなく容疑者二人と被害者との関係(純一は日が浅いが佳代子は高校から一緒)や、あまり深くは書いていないですが動機に関して考えれば解ります(純一は二人の仲を引き裂かれなければ問題はないが佳代子は過去の汚点を知られているのが怖かった)。

    佳代子は純一が去った後、純一に罪を着せるよう仕向けたのです。
    後に出た佳代子が流し台にグラスを置いたままにしていたり(康正が隠さなければ自殺では無く警察は他殺扱いにしたと思います)絆創膏を使ったのもおそらく純一に容疑をかぶせる為です。

    それらを踏まえて左利きの佳代子が右で袋を破る=佳代子が純一に容疑をかぶせるになると思います。

    佳代子は袋を破る際に気付いたのです、純一は園子が左利きと知らないという事に(純一の袋が目の前にあるのだから)。
    佳代子は高校時代にラケットの握り方等で知っていたと思います。
    後で警察に偽造した犯人に関して調査された際に自身は園子が左利きと言うのを知っていた偽装するなら左で破ると言い逃れする為。

    両方とも右で破れていた=純一では説明がつかない他のサイトをみてもだから・・・と具体的には記載が無く決め手に欠けます。

    なので、この小説は破りかたがきっかけではあるが、答えでは無い。
    破り方のみだけで考えていると答えにはたどり付けない。
    その後にだからどうなんだと仮説をたてなければ答えにはいけないと思います。

    • coさん コメントありがとうございます。

      犯人 佳世子説’あり’だと思います。
      小説には答えがはっきりと書かれていないので、

      動機として過去の汚点を知られたため、潤一を園子殺しの犯人にするというのは、イマイチな気がします。佳世子は潤一のことを好きだったと思うし。
      過去の汚点を知る人は、他にもいるでしょう。
      他に動機があるかもしれませんので、それを考えればいいかもですが、

      潤一の方が、動機を考えると犯人に感じます。
      以前書いていた動機です。

      佃が犯行に至った動機。
      大手出版社の長男である佃。弓場の過去を両親に暴露し、世間に公表することを阻止するために殺害を思いつく。殺害方法は、園子と付き合っていたときに聞いた方法。
      1回目の犯行時点では、園子の自殺を偽装するだけの予定だった。しかし、実行中弓場にその現場を目撃される。さらに、弓場が園子を殺害しようとした事実も知る。親友を殺害する人間と付き合うことはできないと考える。別れ話では、また園子と同じように復讐されるかわからない。弓場が殺人犯として捕まれば、弓場と自然と別れることができるだろうと考える。園子殺害を弓場になすりつけることを思いつき実行する。

      犯行現場の偽装に関しては、どちらが犯人であった場合でも、相手を犯人にするためにとった行動と考えることができるので、犯行現場の偽装からは、どちらが犯人かは特定できないと考えます。
      いくらでもいいように解釈できるので、絆創膏やグラス、他のものもどうでもいいと思います。

      2つの薬袋の内、1つが潤一が破った物だということも小説からはわかりません。
      1つ目を捨てて、そのあと薬袋を犯人が2つ用意すればいいし。
      園子、潤一、佳世子の誰かが破った物だというだけです。
      1つ目の破り方に合わせて犯人が同じように破ったというのは、なるほどーと思いました。 

      このサイトでは、加賀恭一郎が犯人を特定するための証拠の中で、薬袋はどうでもいいと考えています。

      いかにも重要な証拠という感じで書いてありますが、肝心の園子の指紋の状態や、どちらの利き手で破られていたかは、読者にはわかりません。それを感じさせる記述はありますが、

      袋綴じ解説も、犯人を特定するため、薬袋の破り方に注目していますが、そこに注目するようにしたのは、潤一と佳世子の利き手が違っていると認識した加賀が、康正を導く材料にした物のひとつだと考えます。解説からも、読者も康正と一緒に、その材料から犯人を当てましょう。となっている感じで、そこから導ければ、犯人が分かるということなのでしょう。

      >なので、この小説は破りかたがきっかけではあるが、答えでは無い。
      >破り方のみだけで考えていると答えにはたどり付けない。
      >その後にだからどうなんだと仮説をたてなければ答えにはいけないと思います。

      そうですね。
      いい答えが見つかれば、と思います。

      加賀恭一郎がどういった証拠を見つけて、犯人を特定したのかそのうち考えようと思っています。

  • 失礼します。
    佃潤一だったらおかしいです。 園子は左利き。しかし、2つの薬袋は右の開け方だったはずです。(加賀が他殺だと断定する点から逆算すれば、もう一つの袋も園子とは逆の破り方だと推理できる)…私は疑問が残ります。お気を悪くなされたのならすいません。

    • アリスさんへ
      コメントありがとうございます。
      2つの薬袋の開け方については、詳しい記述がなかったと思います。
      p78に「・・・指紋が、同じように付いていました」
      と書いてあるのみだと思います。

      康正に右利きで薬袋が開けられていたと思わせるように加賀さんが誘導したと考えます。誰の指紋が付いていたのかも明かされていないし、どちら利きで開けられたかも分かりません。薬袋の真相はわかりません。

      可能性として、2つの薬袋は同一人物によって開けられたとわかるだけです。

      佃潤一は右利き
      弓場佳世子は左利き

      犯人は「右利き」で、いいと思いますよ。
      はっきりそれぞれの利き手は書かれていませんが、、

  • 初めまして…最近この本を読んで犯人が気になっていました。
    私は凄く単純なんですが…353ページの
    犯人が絶叫した。犯人でないほうも悲鳴を
    あげた。で康正犯人説になりました。
    利き手も一生懸命考えたのですが良くわからなかったので…答えが一緒で良かったです。

    • 初めまして!
      犯人がわからないとモヤモヤしますよね。
      納得してもらえてよかったです!

  • 佃純一犯人説で間違いないと思います。

    理由としては康正が2回目訪問しているときに右手で警察手帳を出すよう要求していること(利き腕)、また佳世子も康正が喫茶店で会った後クーペに乗ってドアを開けますが(運転席なので右側)、ぎこちなく開けるという描写があります。これらも補強になると思います。

コメントする

two × four =

目次