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中村文則著「R帝国」を読んで

中村文則著「R帝国」

オススメ度★★★★(考えさせられる)

舞台は近未来の島国・R帝国。ある日、矢崎はR帝国が隣国と戦争を始めたことを知る。
だが、何かがおかしい。
国家を支配する絶対的な存在″党″と、謎の組織「L」。
やがて世界は、思わぬ方向へと暴走していく――。
世界の真実を炙り出す驚愕の物語。

『教団X』の衝撃、再び! 全体主義の恐怖を描いた傑作。

出典:amazon

文明的には近未来。架空の国「R帝国」が舞台。登場人物が日本名なので日本であることを忘れた日本人なのかも。

日本の戦争の歴史も、架空の小説として登場。

「抵抗」という文字、意識、感覚を排除された世界。政府「党」に操られていることに気づかず、気付かさせず。

 

現実世界の「裏」「闇」を描いたような作品。

自分たちも知らない間に洗脳され、いいように操られているのかも。

太字

本文中、太文字部分があります。そこを抜き出してみました。

・人々は、小さな嘘より大きな嘘に騙されやすい。 アドルフ・ヒトラー(太字ではないけど、冒頭部分)

・多様性。

・──神が全てだ。 ──神が全てだ。

・──背教者に死を。 ──神が全てだ。

・──神が全てだ。背教者を殺せ。背教者が死ぬほど神はお喜びになる。

・──背教者に死を。 ──背教者に死を。

・これが人間というものだ!

・鈴木タミラ

・幸福とは閉鎖である。

・──君に今から、情報という名の絶望の種子をあげよう。

・「幸福に生きることと、正しく生きることは違う」

・君に今から、情報という名の絶望の種子をあげよう

・「人々が欲しいのは、真実ではなく半径5メートルの幸福なのだ」

人々が欲しい━━ は確かに、自分が幸福を感じていれば、真実はいらないかも。
人類みんなが平等な幸福を得ることは難しいことはわかっている。

どこまでの範囲かは人それぞれだけど、他人の幸福、不幸を真剣に悩むのは難しい。
考えると怖くなる。

テロ等準備罪処罰法案

日本の法律「テロ等準備罪処罰法案」が本文中にそのまま登場します。

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第6条の2
1 次の各号に掲げる罪に当たる行為で,テロリズム集団その他の組織的犯罪 集団(団体のうち,その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第3に掲 げる罪を実行することにあるものをいう。次項において同じ。)の団体の活動として,当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を二人以上で計画した者は,その計画をした者のいずれかによりその計画に基づ き資金又は物品の手配,関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは,当該各号に定める刑に処する。ただし,実行に着手する前に自首した者は,その刑を減軽し,又は免除する。
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何度も話題になり、野党がイマイチなつっこみを入れていたのも印象に残っています。

この小説での解釈で「こわいもの」だということがよくわかりました。

正しい行いをしている団体があり、その団体を潰したければ、そこにスパイを送り、スパイがテロ(準備行為)を先導する。そしてスパイは自首。
スパイは刑を免除され、団体はこの法案で罰せられる。都合のいい組織だけが残るようになる。

おかしなことが実際に起こらないことを願います。

官僚文学(テロ等準備罪処罰法案の中の)

あいまい、あやふやな表現

・「その他」あらゆる事柄を網羅

・「準備行為」具体的な準備の明言がない

未来のスマホ「HP(Human Phone)」

現在の時点でほとんどの人がスマホを手放せない状態。ながらスマホは当たり前。

小説にでてくるHPはAI機能が進化して、それ自体が人格を持っている。他のHP同士で会話をし、進化していく。
自分の分身みたいになった時、共感するのか、反感を抱くのか。どちらなのだろう。

思い通りの答えを出すだけなら、人は堕落していくだろうな。

 

 

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