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小保方晴子著「あの日」を読んで

あの日 小保方晴子

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世間で注目を集めた「STAP細胞」騒動。
ニュースやネットで話題になった断片的なことしか理解していなかったので、小保方晴子さん当事者自身の著書ということで興味をもち読んでみました。

まず、思い込んでいたことが、間違いだと気づいた点がありました。

・放映された研究室でまだ研究していなかった。
やけにキレイな研究室がテレビに映し出された印象があります。てっきりあそこでずっとSTAP細胞の研究をしていたのだと思ってましたが、あの研究室はこれから使われる予定で、それまでは理化学研究所の若山照彦さんの元で研究していて、2013年の3月にその研究所がなくなってからは、ネイチャーへの論文執筆、訂正若山先生の山梨大学への引っ越しの手伝いで、ほとんど研究をしていなかった。

・小保方さんは研究のリーダーではなかった。
報道ではユニットリーダーとして活躍している印象だったので、そう思っていましたが、ユニットリーダーとしては就任したてで、活躍はこれからだったらしい。STAP細胞は若山研で行われていた(133)もの



この本を読むと、誰がおかしな行動をしていたか、というと、若山さんになる。若山さんが登場するまでは専門的な言葉も多く、なかなか読み進められませんでしたが、登場してからは興味が湧いて、一気に読むスピードがあがりました。

STAP細胞は、マウスが重要な役割を果たしていて、そのマウスを操作していたのが若山さんでした。小保方さんが「胚操作」を教えてもらおうとしても取り合ってもらえず、「小保方さんが自分でできるようになっちゃったら、もう僕のことを必要としてくれなくなって、どこか行っちゃうかもしれないから。ヤダ」(92)といたずらっぽくセリフをはく若山さん。研究に真摯に向き合っているとは思えません。

若山さんの研究スタイルは、まず結論を決め、それに沿ったストーリーをつくるという方法。ストーリーから外れた場合、「このままでは使えないのでやり直すか、データとして使用しないように」(99)異常が出たマウスがでた場合、「お母さんマウスに食べられちゃったことにしよう」(99)など若山さんが本当の研究者なのかと疑問に思える行動をとっていた。

「STAP細胞」特許の手続きの際には、若山さん51%、小保方さん39%、バカンティさん5%、小島さん5%の特許配分を若山さんが提案している(103)これからも「STAP細胞」は若山さんの責任ではなかったかと考えられる。

若山先生の様子がおかしいという若山研の研究員。「僕ばかり成功してごめんね。フフフ」「iPS細胞研究所のようなものをどーんと建ててもらえるだろうなぁ」(104)という印象的な言葉。若山さんは本質であるはずの研究から離れて、夢の結論を組み立てるストーリーを組み立てはじめていた。この時には夢を追うため裏で不正をしていたのではないかと思える。

小保方さんに若山さんが幹細胞株の樹立に関して、手技の大きな差のため教えることができない(105)というのは、本当なのか、不正をしていたので教えられないのではないのか、と疑ってしまう。次世代シーケンサーを行わないように(128)指示するのもおかしい。



最初の記者発表の際、若山さんが表にでていたらこの騒動はどうなっていただろう。
2報(若山さんとバカンティさん)の論文の記者会見を、両方の研究に携わった小保方さんがプレゼンしたということで、注目を集めた記者会見。そのことでマスコミが小保方さんの経歴を調べることになり、卒論の不正が発覚してしまう(不正ではなく、取り返しの付かない大きな間違い(73))。そのせいで「STAP細胞」論文も不正の寄せ集めではないかと疑われてしまうこととなってしまった。

小保方さん達が不利な立場になっていくと、本当の責任者だと思われる若山さんは、いち早く内部情報をリークしてマスコミ、世論を味方につける。不正を暴く側にまわり、小保方さんたちの責任を追求しはじめる。

若山さんはなぜ、STAP細胞論文をいち早く撤回するよう要望したのだろうか。やはりそこには不正の真相があり、追求の手がまわるのを恐れたのではないかと思ってしまう。

真相を知る当時者である若山さん。この本の中で、何をしていたか把握できないのが若山さんただ一人。検証実験でキメラマウスの作成にも協力しないというのは、自分しかできないといっていたことを否定しているのではないかと思ってしまう。結論をつくり、不正をし、ストーリーに合うものを作っていたのではないかと。

とにかく、上司に対してもハッキリ物が言え、不正が行われない環境であればこんなことにならなかっただろうと思う。

本質から外れたら注意が必要。
特許とか、名誉とか絡んでくると難しいそうだけど。

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あの日 小保方晴子

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