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平野啓一郎著「マチネの終わりに」を読んで

マチネの終わりに 平野啓一郎

オススメ度★★★(大人な恋愛小説らしい)

ミステリーが好きで、恋愛小説らしい恋愛小説は読んだことがなかったのですが、アメトーーク『読書芸人』の第3回企画でも絶賛されていたので読んでみました。

新聞で掲載されていたものがWEB版としても公開されています。
『マチネの終わりに』
挿絵もあるし、ギター動画もリンクされたりていていいです。
第3者目線で進む物語。クラシックギター奏者の蒔野と通信社記者の洋子。それぞれが一方的に思いを募らせる。

世界的なアーティストと、知的な記者。自分とはかけ離れた思考の持ち主である登場人物。物語が1人称で進んでいたなら、どんなことを考えて行動したかも描かれたかもしれないけど、漫画やテレビドラマのように、都合のいい所だけ登場人物の考えが描かれる。これがなんか寂しく、読みにくい感じがした。

中盤の200ページくらいまでは、何度も読むのをやめようと思ったけど、もう一人の第3者目線が描かれてから、続きが気になるようになって一気に読めた。

終盤に近づくと、物語に登場する音楽も気になりだし、YOUTUBEで検索して流しながら読書もした。
はじめて音楽流しながら本を読みました。
本の中に描かれる世界観がなんとなく伝わってきていい感じ。

 

ここからはネタバレしています。

相手のことを思いやる「大人の恋愛」。それにしても思いやりすぎの気もする。

最後は続きが気になりますね。

マチネの終わりに2人が再会してからどうなったんだろう。
三谷のことは話したのでしょうか。話さないんだろうなぁ。大人だし。

過去のことをくどくど言わず。2人にとってはどんな過去も、美しく変換されていく。
人の罪も許してそれを含めて過去のおかげで現在があると解釈する大人はどれほどいるんだろう。

感動的な再会も、過去引き離されたおかげなんですね。

 

蒔野と洋子が、日本で普通に再会できていればお互いのスランプとPTSDをより早く克服しただろう。
三谷に邪魔されなかったら、
祖父江誠一が倒れなかったら、
娘の奏(かな)が連絡を蒔野にしなかったら、

もっといい現在があったに違いないと思う。

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マチネの終わりに 平野啓一郎

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