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藤田宜永著「大雪物語」を読んで

大雪物語 藤田宜永

オススメ度★★★★★(どの話も心ほっこり・読みやすい)

図書館の新刊コーナーに置いてあって、季節もぴったりで興味を持って借りました。

ある冬、N県K町が観測史上初の99センチという豪雪に見舞われる。町民をはじめ観光客、仕事のため車でK町に訪れた人々は、駅や車中など長時間足止めを余儀なくされた。町、県、国レベルの除雪作業も追いつかず、町の深刻な状況から災害救助法が適用され、自衛隊の派遣も要請される。そんな非日常のさなか、紡がれる6つのストーリー。避難所を設ける花屋、車に閉じ込められた人たちの救済支援にあたる自衛隊員、独居老人を救った青年の過去など「冷たいからこそ、人はより一層心を温かくさせる」
(amazonより)

大雪の中の六つの物語

第一話 転落

派遣社員をクビになり、スクーターでひったくりをする男。逃げ込んだのは小さい頃過ごしたことがあった長野県のK町の別荘地。無人の別荘に忍び込むが、記録的な大雪に見舞われる。食料も尽き、水も暖をとることもできなくなった男は、近くの明かりがついた別荘に行くことにする。懐にナイフを忍ばせて訪ねる男。そこには老婆が一人で生活していた。大雪がめぐり合わせた二人の交流が始まり・・・

第二話 墓堀り

東京から長野県のK町へ遺体を搬送するドライバーの男。同乗者は女性の遺体とその娘。無言の空間の中、娘が出発してから1時間20分経って、はじめて男に声をかけ、高速のSAで休憩をとる。雪が強くなりSAで見た車が事故に巻き込まれる。徐々に言葉を交わすようになる2人。
高速が通行止めになり、下道に降りるが、記録的な大雪のため車はついに動けなくなる。大雪がお互いの知るはずがなかった事情を紡ぎだし・・・

第三話 雪男

飼い犬がどこかへ行ってしまった。記録的な大雪が降る中、探しに出かける女子高生。飼い犬の行先はおそらく元カレの家。体力が雪に奪われていき、寂しさで自暴自棄になりそうな時。目の前に雪男が現れ・・・

第四話 雪の華

バイパス沿いで花屋を営む夫婦。大雪でバイパスの車たちは立ち往生。男性と女性がトイレを借りに来る。女性は花屋の男性の元カノだった。やがて立ち往生したバスから大勢の女子高生が花屋にやってくる。

第五話 わだかまり

記録的な豪雪のため長野県松本市からK町に派遣された自衛隊員の男。スコップでの除雪作業中、近くのアパートでみた女性に見覚えがあった。

第六話 雨だれのプレリュード

ピアニストの男。記録的な大雪によりコンサートは中止になった。元妻との思い出の地でのコンサート。

年齢や、環境も様々な男と女の物語。記録的な大雪が交流するはずがなかった人たちを繋げる。
どの話もきれいにまとまっていて面白かった。

お気に入りは、墓堀り転落

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